わたしの民よ、聞け
アサフの詩。マスキール。
子どもたちが私たちの父の御業を学ぶために語られる、長い教えの詩。エジプト、分けられた海、マナ、うずら、反逆と忘却が何度も繰り返される。そしてそのたびに、怒りを抑えるあわれみが応える。詩は、この語り直しが向かっていた場所、シオンとダビデで終わる。
78 1わたしの民よ、わたしの教えを聞き、わたしの口の言葉に耳を傾けよ。
2わたしは口を開いてたとえを語り、 いにしえからの謎を注ぎ出そう、 a a v2 マタイは、イエスがたとえを用いて教え、世の初めから隠されていたことを明らかにされたとき、これが成就したと伝えている。 3わたしたちが聞いて知ったこと、 わたしたちの先祖が語り伝えたことを。 4わたしたちはこれをその子らに隠さず、 次の世代に、 わたしたちの父への賛美と、その力と、 行われた驚くべき御業を語り伝えよう。 5御自ら、ヤコブに定めを立て、 イスラエルに律法を授け、 それを子らに教えるようにと、 わたしたちの先祖に命じられた、 6次の世代、 やがて生まれてくる子らがこれを知り、 立ち上がって自分の子らに語り伝えるためであった、 7彼らがわたしたちの父に望みを置き、その御業を忘れず、 その戒めを守るためである、 8彼らの先祖のようにならないためである。 彼らは頑なで反逆する世代、 心が定まらず、 その霊がわたしたちの父に忠実でない世代であった。
9エフライムの子らは、 武具を身につけ弓を携えながら、戦いの日に背を向けた。 10彼らはわたしたちの父の契約を守らず、 その律法に従って歩むことを拒んだ。 11彼らは、行われたこと、 彼らに示された驚くべき御業を忘れた。 12彼らの先祖の 目の前で、エジプトの地、ツォアンの野で、驚くべきことを行われた。 b b v12 ツォアンは、エジプトのナイル川デルタにあった古代の王都で、タニスとも呼ばれた。 13海を分けて彼らを通らせ、 水を壁のように立たせられた。 14昼は雲をもって、 夜通し火の光をもって彼らを導かれた。 15荒れ野で岩を裂き、 深い淵のように豊かに水を飲ませられた。 16岩から流れを湧き出させ、水を川のように流れ下らせられた。
17しかし彼らはなおも罪を犯し続け、 乾いた地で、いと高き方、わたしたちの父に逆らった。 18彼らは欲しがる食べ物を求めて、心のうちにわたしたちの父を試みた。 19彼らはわたしたちの父に逆らって言った、 「神は荒れ野で食卓を整えることができるのか。 20確かに神が岩を打つと水がほとばしり出て、 流れがあふれた。しかし神はパンをも与え、 その民に肉を備えることができるのか。」 21それゆえ、わたしたちの父はこれを聞いて激しく怒られた。 火がヤコブに向かって燃え上がり、 怒りがイスラエルに向かって上った、 22彼らがわたしたちの父を信じず、その救いに信頼しなかったからである。 23それでも、上の大空に命じ、 天の扉を開いて、 24彼らが食べるようにマナを降らせ、 天の穀物を与えられた。 25人は御使いのパンを食べた。 彼らに食物を豊かに送られた。 26天に東風を吹き起こし、 御力によって南風を導かれた。 27塵のように肉を彼らの上に降らせ、 海の砂のように翼ある鳥を降らせた。 28それを彼らの宿営の真ん中、 その天幕の周りに落とされた。 29彼らは飽きるまで食べた。彼らの欲したものが与えられたからである。 30しかし彼らがその欲望から離れないうちに、食べ物がまだ口の中にあるうちに、 31わたしたちの父の怒りが彼らに向かって上り、 彼らのうちの最も強い者を殺し、 イスラエルの若者たちを撃ち倒された。
32これらすべてにもかかわらず、彼らはなおも罪を犯し、 その驚くべき御業にもかかわらず、信じなかった。 33そこで彼らの日々をむなしく、 その年々を突然の恐怖のうちに終わらせられた。 34彼らが殺されると、彼らは立ち返り、悔い改めて熱心にわたしたちの父を尋ね求めた。 35彼らは、わたしたちの父が自分たちの岩であり、 いと高き方が 自分たちの贖い主であることを思い起こした。 36しかし彼らは口先でこびへつらい、 舌をもって偽りを言った。 37彼らの心は定まらず、その契約に忠実でなかった。 38しかし御自ら憐れみに満ち、 彼らの罪を贖って滅ぼされなかった。 幾度も怒りを引き戻し、 その憤りをことごとくは注がれなかった。 39御自ら、彼らが肉にすぎず、 過ぎ去って戻らない息であることを思い起こされた。
40荒れ野で彼らは幾度も逆らい、 荒れ地で御方を悲しませたことか。 41彼らは繰り返しわたしたちの父を試み、イスラエルの聖なる方を怒らせた。 42彼らはその御力を、 圧迫者から彼らを贖われた日を思い起こさなかった、 43エジプトでしるしを、 ツォアンの野で不思議な業を現された日を。 44彼らの川を血に変え、 彼らはその流れから飲むことができなかった。 45あぶの群れを送って彼らを食い尽くし、 蛙を送って彼らを荒らされた。 46彼らの作物を青虫に、その収穫をいなごに渡された。 47雹をもって彼らのぶどうの木を、霜をもってそのいちじく桑を打ち滅ぼされた。 48彼らの牛を雹に、 その家畜を稲妻に渡された。 49彼らに向かって、 燃える怒り――憤り、激しい怒り、苦しみ――滅ぼす御使いの一団を放たれた。 50その怒りに道を備え、 彼らの命を死から惜しまず、 その命を疫病に渡された。 51エジプトのすべての初子、 ハムの天幕における彼らの力の初穂を撃たれた。 c c v51 ハムの天幕とは、エジプトを指す詩的な呼び名。ハムはノアの子で、エジプト人の先祖であった。 52しかし御自らの民を羊のように導き出し、 荒れ野で群れのように導かれた。 53彼らを安全に導かれたので、彼らは恐れなかった。しかし海は彼らの敵をのみ込んだ。 54彼らを聖なる境、その右の手が勝ち取った山に導き入れられた。 55彼らの前から諸国民を追い払い、 測り縄をもって嗣業の地を分け与え、 イスラエルの部族をその天幕に住まわせられた。
56それでも彼らは、いと高き方、わたしたちの父を試み、これに逆らい、 その定めを守らなかった。 57彼らは背き去り、その先祖のように不誠実であった。 たわんだ弓のようにねじれた。 58彼らは高き所をもって御方を怒らせ、 偶像をもってその妬みを引き起こした。 d d v58 高き所とは、イスラエルが異国の神々を礼拝した丘の上の祭壇で、神の律法によって禁じられていた。 59わたしたちの父はこれを聞いて激しく怒り、 イスラエルをことごとく退けられた。 60御自らシロの幕屋、 人々の間に住まわれた天幕を捨てられた。 61その力を捕らわれの身に、 その栄光を敵の手に渡された。 62御自らの民を剣に渡し、 その嗣業に対して激しく怒られた。 63火は彼らの若者たちを焼き尽くし、 その娘たちには婚礼の歌がなかった。 64彼らの祭司たちは剣に倒れ、 そのやもめたちは嘆くこともできなかった。
65そのとき、統べ治める御父は眠りから覚めるように立ち上がり、 ぶどう酒から覚めた勇士のように奮い立たれた。 66敵を打ち退け、彼らに永遠の恥辱を負わせられた。 67ヨセフの天幕を退け、 エフライムの部族を選ばれなかった。 68むしろユダの部族、 その愛されたシオンの山を選ばれた。 69高き所のように聖所を建て、 とこしえに据えられた地のようにされた。 70その僕ダビデを選び、 羊の囲いから彼を取り出された。 71乳を飲ませる羊を追うことから彼を連れて来て、 その民ヤコブ、 その嗣業イスラエルを牧させられた。 72ダビデは真心をもって彼らを牧し、 巧みな手をもって彼らを導いた。 e e v72 羊飼いの王ダビデは、ダビデの子であり、真実な心をもって民を導く良い羊飼いであるイエスを指し示している。