荒れ果てて残された娘
1 1かつて人で満ちていた都が、 なんと寂しく座していることか。 国々の中で大いなる者であった彼女は、 やもめのようになった。 諸州の中で王女であった彼女は、 苦役に服する者となった。 a a v1 哀歌の一章、二章、四章は、頭字詩(アクロスティック)である。各節がヘブライ語アルファベットの次の文字で順に始まり、悲しみを「初めから終わりまで」余すことなく綴っている。三章はこの型を三重にしている。この構造は英語では失われるが、悲しみの形は保たれている。 2彼女は夜ごとに激しく泣き、 涙が頬を伝う。 すべての愛人たちの中に、 彼女を慰める者は一人もいない。 すべての友は彼女を裏切り、 彼女の敵となってしまった。 3ユダは苦しみと過酷な労役の中で捕囚となった。 彼女は国々の中に住むが、 安らぎの場を見いだせない。追い迫る者たちはみな、 苦難のただ中で彼女に追いついた。 4シオンへの道は嘆き悲しむ。 定められた祭りに来る者が一人もいないからだ。 その門はことごとく荒れ果て、祭司たちは呻き、 おとめたちは悲しみ、 彼女自身も苦い苦悩の中にある。 5彼女に敵対する者が主人となり、 敵は安らいでいる。 わたしたちの父が、彼女の多くの背きのゆえに彼女を苦しめられたからだ。 彼女の子らは去って行き、 敵の前に捕らえられて引かれて行った。 b b v5 哀歌は、心が結びつけることを拒む二つの真理を共に抱いている。わたしたちの父はその子らを懲らしめられる、そしてその懲らしめが最後の言葉となることは決してない、という真理である。同じ書はこう告げている。「とこしえに捨て去ることはなさらない。悲しみを与えても、憐れんでくださる」(哀歌三章三一〜三二節)。 6娘シオンから、 その栄華はことごとく去ってしまった。 彼女の君主たちは、 牧場を見いだせない鹿のようになり、 追い迫る者の 前を力なく逃げて行く。 7苦しみとさすらいの日々に、 エルサレムは、昔から自分のものであったすべての尊いものを思い起こす。 彼女の民が敵の手に落ちたとき、 彼女を助ける者は一人もなく、 敵はそれを見て、彼女の没落を嘲笑った。 8エルサレムは重く罪を犯した。それゆえ彼女は嘲りの的となった。 彼女を敬っていた者はみな彼女を蔑む。 彼女の裸を見たからだ。 彼女自身も呻いて顔を背ける。 9彼女の汚れは裾にまといついていた。 彼女は自分の将来を顧みなかった。その転落は驚くばかりで、 彼女を慰める者は 一人もいない。「わたしの父よ、わたしの苦しみを顧みてください。 敵が勝ち誇っているのですから。」 c c v9 彼女の「裾」とは、その衣の縁とひだのことである。そこにまといつく祭儀的な汚れは人目にはっきりと見え、隠そうともせず公然と汚れた者であることを示していた。 10敵は、彼女のすべての尊いものに手を伸ばした。彼女は、諸国の民が 自分の聖所に入るのを見た—— あなたがご自分の会衆に入ることを禁じら れた者たちが。 11彼女の民はみな、 パンを求めて呻く。 命をつなぐためだけに、宝物を食物と引き換える。 「わたしの父よ、 目を留めて、ご覧ください。わたしは蔑まれる者となったのですから。 12通り過ぎて行くあなたがた、あなたがたには何でもないことなのか。 よく見てほしい、 わたしの苦しみのような苦しみがほかにあるかどうかを。それはわたしに下されたもの、 わたしたちの父がその激しい怒りの日に加えられたものだ。 13高い所から、 わたしの骨に火を送られ、 その火は骨を焼き尽くした。わたしの足に網を張り、 わたしを引き戻された。 わたしを荒れ果てさせ、 一日中弱り果てさせられた。 14わたしの背きは軛に結びつけられた。 御手によって編み合わされ、 わたしの首に置かれ、 わたしの力を萎えさせた。 主権者なる父は、わたしが立ち向かえない者たちの手に、わたしを引き渡された。 15主権者なる父は、 わたしのただ中にいるすべての勇士を退けられた。 わたしに向かって集会を召集し、 わたしの若者たちを打ち砕かれた。主権者なる父は、酒ぶねを踏むように、おとめである娘ユダを踏みつけられた。 d d v15 「集会」と訳された言葉は、聖なる祭りの集いに用いられるのと同じ語である。それをここで破壊の軍勢に用いることには、苦く、意図的な皮肉が込められている。 16これらのことのために、わたしは泣く。 わたしの目は、わたしの目は涙を流す。 わたしの魂を生き返らせてくれる慰める者が、 わたしから遠く離れているからだ。わたしの子らは荒れ果てている。敵が勝ち誇ったからだ。」 17シオンは手を差し伸べるが、 彼女を慰める者は 一人もいない。わたしたちの父は、ヤコブの周りの者たちが 彼の敵となるように定められた。エルサレムは、彼らの間で汚れたものとなった。 18わたしたちの父は正しい。 わたしが御言葉に背いたのだから。すべての民よ、聞け。 わたしの苦しみを見よ。 わたしのおとめたちも若者たちも、捕らわれて行った。 19わたしは愛人たちを呼んだが、 彼らはわたしを欺いた。わたしの祭司たちも長老たちも、 命をつなぐための食物を探し求めながら、 都の 中で息絶えた。 20わたしの父よ、ご覧ください。わたしは苦しみの中にいます。 はらわたは煮えくり返り、心はわたしの内で ひっくり返っています。わたしがひどく背いたからです。 通りでは剣が人々を切り倒し、家の中では死のようです。 21人々は、わたしが呻いているのを聞きました。わたしを慰める者は 一人もいません。わたしの敵はみな、わたしの災いを聞きました。 あなたがそれをなさったことを、彼らは喜んでいます。あなたが告げ知らせた日を来らせてください。彼らもわたしのようになりますように。 22彼らのすべての悪をあなたの前に来させ、 わたしのすべての背きゆえにわたしを扱われたように、 彼らを扱ってください。 わたしの呻きは多く、 わたし の心は弱り果てているのですから。